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記帳代行サービス業の特徴は、❶スキャナー操作、❷クラウド会計ソフトとスキャナーの連動、❸在宅ワーク、❹社長身の回り秘書的ケアが主な点である。
2020年6月20日
❖記帳代行業は成り立つか?
記帳代行サービスの悩ましい点は、全自動化される小規模事業の経理運営で、機械化できない主な分野が上記❹社長身の回りの秘書的ケアの要求を満たす点にある。この点も経理作業の労働という意味ではソサイエティ5.0の2025年頃には企業の会計運営の環境はRPA/AIの連携で大きく省力化されているだろう。

❖在宅経理業の「秘書性」
残るのは「社長身の回りのお世話」であり、能力のない社長については、謂わば社長秘書の贅沢で無駄なコストということになる。それに「経理絡みの秘書職」は、全自動経理で全くの素人作業となるが経営機密を握るので要員の「信頼性」が問われる。

❖在宅経理業の立地条件(近隣性)
その要員の仕事は、人事コスト的に在宅経理作業となるが、社長のお世話としては、事業所の近隣が望まれる。その仕事の機能としては、年齢不問・性別不問・学歴不問なので、「信頼性」の問題を別にすると、比較的に要員を充足しやすい。

❖記帳代行の役務性(無料の臭い)
記帳代行業のコスト構成は、上記各項のとおり、スキャナーとクラウド会計ソフトが連動する装備さえ整っていれば、「全自動経理」がまさに現場で行われることになるため、記帳代行料として小規模事業者から報酬を得ることは極めて難しい。事業者は「その作業は無料だ」という印象を持つだろう。唯一「課金性」が妥当なのは「社長身の回りの秘書的ケア」に対する「役務提供」の報酬だけであろう。

❖経理検査はどうするのか?
小規模事業者は、全自動経理で帳簿が作成される情況にあって、帳簿の信憑性は問題なしとしない。だから専門家に「検査」はお願いしたいところである。

しかし、だからと云って、わざわざ「経理検査」を誰かに依頼するには、余りにも小規模事業者の会計運営に対する認識水準は低すぎる。できれば「顧問税理士」にタダでやってもらいたい。税理士法でも、決算書の検査にあたり帳簿検査をしていない作業は、税理士報酬金額にも拠るが、「善管注意義務」違反となる確率は高い。納税者は裁判係争になった場合はその点を突いてくるだろう。

現況では「全自動経理」で経理仕訳検査なしの決算書を作っておきながら、経理検査を明示的に行う小規模事業者は統計的には少なかろうと推測する。つまり社長が外注する記帳代行サービスは、少なからず、経理検査を暗に含むサービスとならざるを得まい。その報酬の大部分は当該経理検査の報酬ということになる。このポイントを逸脱した記帳代行サービス業は収益基盤を失い、事業として成り立たないであろう。

事業の道筋として税理士業の「記帳代行サービス」は、お客様に対しては別料金制で仕訳検査は税理士事務所で行う契約にして、仕訳作業自体は「領収書等を紙袋に詰込み物理的に郵送等する」原始的な処理手順で、事務所外へ「丸投げ記帳代行サービス」を委託することになっている。スキャナー操作の時間が専門要員を使っていては、とてもペイしないからである。
記帳代行業の